2019/10/17公開

10年後の学校どうなる?──高校生の進行で、大人40人が答えのない問いを考える:未来の先生展

10年後の学校どうなる?──高校生の進行で、大人40人が答えのない問いを考えた:未来の先生展

センター試験の廃止、プログラミング教育の導入、学校指導でのICT活用──。社会の多様化に伴い、教育分野でも新たな取り組みがスタートしています。

刻々と変化する教育現場の実践を集め、分野横断型の学びを体験する場として誕生したのが日本最大級の教育イベント「未来の先生展」です。スタートから3年目となる今年も9月15日に開催。

本メディア「チョットーク」を運営するtyottoも、ワークショップの一環として、独自に開発する教育プログラム「ProgressTime(プログレスタイム)」を実施。教員、塾経営者、大学教授などの参加者40人と答えのない問いに向き合いました。

未来の先生展で見つけた企業3社の出展レポートはこちら>

[「仕事の好き嫌い」よりも「役立ち方の好き嫌い」で──JTB、エン人材教育財団、LITALICO、3社の教育事業を聞いた:未来の先生展レポート]

これまでのべ3000人以上が参加、答えのない問いを考える「ProgressTime」

ProgressTimeは、中高生を対象とした3〜4名の小集団で行うワークショップ型のオリジナル教育コンテンツです。開発から4年、これまで、学習塾や学校現場への導入が進んでおり、のべ約3000人の中高生が参加しています。

テーマは「シンギュラリティ(AIの進化)」「勉強する意味」「プラスチックゴミ」など多岐にわたります。ProgressTimeを通じて習得する思考力や表現力は、現在、文部科学省を中心に進められている入試改革の流れにも対応するものです。

2021年1月から、独立行政法人大学入試センターは、これまでの「大学入試センター試験」に代わり「大学入学共通テスト」の導入を決めました。

これまで「今まで勉強してきた知識をどれだけ覚えて、答えられるか」という知識や技能を測るものだったのに対し、これからは「その知識をどのように使うか」という思考力、判断力、表現力を測ることになります。

こうした指針は実際の大学入試にも影響を与えはじめており、例えば、早稲田大学政治経済学部では、全学部の一般入試および大学入学共通テスト(現行の大学入試センター試験)を利用した入試には、Web 出願時に、「主体性」「多様性」「協働性」に関する経験の記入を義務付けることを発表しました。

この数年で、入試制度をはじめとして、教育現場が大きく変わろうとしているのです。

どうなる未来の教育?:テーマは「10年後の“学校”を考えよう」

さて、今回のProgressTimeのテーマは「10年後の“学校”を考えよう」。

参加した40人の大人たちをファシリテートするのは、高校2年生の2人です。彼女たちは、以前にProgressTimeを受講したことをきっかけに、考え方や行動に変化が生まれたと言います。今回のファシリテーターも、2人の志願から実現したものでした。高校生も、大学生も、大人も、入り混じって、正解のない問いに向き合いました。

 

ファシリテーターとして参加した高校2年生の河住さん

テクノロジーの発達がもたらす教育へのポジティブな影響とネガティブな影響って何だろう?:STEP1 調査

 

まずは、問いかけに対してリサーチからスタート

10年後の学校──。

テクノロジーの発達が進み、「ICT教育」「プログラミング教育」などの言葉が登場しました。数年も経てば、それまでは想像もしなかった新しい教育のあり方が生まれていきます。これから先、ますます変化のスピードが増していく社会の中で、未来の教育はどうその姿を変えていてくのでしょうか?

まずは、個人ワークとして知識のインプットを行います。今回考えてもらうのは「テクノロジーの発達がもたらす教育への影響」。

参加者それぞれ、スマホやパソコンを使って、ポジティブまたはネガティブな影響を調べ、ワークシートに書き込みます。ProgressTimeではまず必ずこうしたリサーチの時間を設けています。そのため、通常参加する高校生たちも、日頃関心がない話題や知らない分野の話でも臆せずディスカッションに参加できます。

筆者も、参加者と一緒にテクノロジーと教育について、調べてみました。

ポジティブな側面

・学びの効率化

いつでもどこでも映像授業が受けることが可能になる。また、授業中に自分で調べることができれば、勉強の効率が上がるかもしれない。

・紙のムダ遣いの削減

教科書やプリントがデジタル機器の画面上で見ることができるようになると今まで使用していた量の紙を節約できる。

ネガティブな側面

・デジタルデバイド(情報格差)

デジタル機器を使いこなすことができる人とそうでない人の間で、学びの質に格差が生まれてしまう可能性がある。

・VDT症候群

長時間画面を見続けることで、ドライアイや肩こり、倦怠感などの症状が出ることもあり、現在でも問題視されている。

・地域間格差

学校など公的な教育現場にデジタル機器を導入するにあたり、自治体ごとの経済状況によって、導入率に格差が生じてしまいかねない。

少し調べてみると、上のようにテクノロジーによる多くの恩恵と、それに伴い生じる課題が見えてきます。

しかし、だからといって、テクノロジーの進化は私たちの適応を待ってはくれません。こうした社会の中で、学校はどんな場を目指すべきでしょうか?

10年後の“学校”はどんな場になっている?:STEP2 個人ワーク

調べた内容を参考に、まずは一人でこの問いを考えます。

1人に1台タブレット? オンライン教育が進み、学校は行かなくても良くなる? それぞれが考えを紙に書き出します。

未来の学校教育をめぐり、熱い議論が:STEP3 グループワーク

 

写真奥:ファシリテーターの高橋さん、大人相手にも堂々としたファシリテーションを披露した。

個人ワークが終わったら、次はグループでの共有です。このとき、必ずグループ内での役割を決めます。

・リーダー:議論を進行する人

・書記:グループワークシートに記入する人

・発表者:最後に発表する人

役割を明確にすることで、各々が責任を持ち、グループとしての協働性を高めるのです。

ファシリテーターは各グループの話し合いが円滑に進むようにサポートします。グループの話を親身に聞いたり、アドバイスを発している姿に、参加者からは「とても高校生とは思えない」と驚きの声も聞かれました。

 

各グループ、時間ギリギリまで議論を重ねた

10年後の学校を大人たちが想像してみた。:STEP4 プレゼンテーション

 

チームで話し合った内容を、順にプレゼンしてお互いに意見交換を行う

最後に、グループごとに考えをプレゼンテーションします。

グループの意見を、多くの人にわかりやすく伝えることができるか、その表現力が問われます。どのグループも、一つの問いかけに対して全く異なる視点で意見を発表してくれました。ま

参加者「脳みそが軽く興奮した」

盛り上がりを見せた今回のProgressTime。参加者からは次のような感想が寄せられました。

・有意義なディスカッションできた。学校教師の方と一般の方、学生など、いろんな立場からみた考え、課題の交換、交流、疎通が有意義でした。

・グループで話し合いながら、10年後について考えた中で、教育について興味を持てた。

・自分だけでは思いつかない意見がたくさんあり、10年後、そしてその先のミライを創ることが楽しく思えました。

・楽しすぎて時間の流れが速かった。脳ミソが軽く興奮して、頭を使った。チームでの協同に大きな意義を感じた。

終始、白熱していた90分。時間が過ぎても、会場では参加者同士がお互いに意見を交わし合う様子が見られました。

テクノロジーや社会がどれだけ変化するとしても、こうして未来の教育について必死に考える人たちの意思こそが、より良い教育のあり方をつくっていくのかもしれません。

みなさんの意見は #チョットーク

チョットークを運営するtyottoでは、みなさんのご意見を募集しています。

未来の学校を作るのは、今のあなたです。

あなたが思う10年後の学校をハッシュタグ #チョットーク  でつぶやいてください。

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