スーパーのおばちゃんがいなくなった世界、本当に豊か?──#1シンギュラリティ:高校生が考えたい社会課題

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社会に出る前に考えたい「2045年問題」

 

 

AI(人工知能)が人間を超える──。

数年前からこのような未来予測を耳にする機会が増えてきました。AIが人間の能力を超える時点を「シンギュラリティ(技術的特異点)」と呼びます。

こうした議論は古くからありましたが、米の科学者レイ・カーツワイル氏が2005年に発表した著書『The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology(ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき)』の中で取り上げたことで、注目を集めました。

彼の予測では、2045年までにはシンギュラリティに到達する、つまり、AIが人間の能力を超えるのではないか、とされています。

これは「2045年問題」などと呼ばれ、関心を集めることになりました。

もはや「将来の夢」に意味はない?──高校生が28歳になったとき、半分の職業は消えている

 

2045年といえば、2019年時点から26年後、16歳の高校生は40代になります。少しイメージしづらいかもしれません。

では、少し時間を巻き戻して、2030年の世界をイメージしてみましょう。11年後です。いま高校生であれば、20代半ばから後半に差し掛かり、会社に就職していれば、少しずつ重要な役割を任されるようになるころかもしれません。

「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」

2015年、野村総合研究所と英オックスフォード大学共同研究結果として、上のような未来予測を発表しました。

日本国内の職業601種類を対象に研究したもので、「10〜20 年後に、日本の 労働人口の約 49%が就いている職業において、それら(人工知能やロボット)に代替することが可能」と結論づけています。

多くの高校生は、学校の授業や進路指導の中で頻繁に「将来の夢」を考えるかもしれませんが、職業でイメージしているとすれば、その職自体がなくなっているかもしれません。

しかし逆に考えれば、半分の職業は人工知能やロボットに取って代わられない、ということでもあります。

いったいその差はどこにあるのでしょうか?

考えよう①

スーパーのおばちゃんもAIやロボットに代わられる、そんな世界

職業別に見てみましょう。

代替される可能性が高い職業例

・スーパー店員

・銀行窓口

・警備員

・電車運転士 など

代替される可能性が低い職業例

・アナウンサー

・映画監督

・バーテンダー

・マンガ家 など

両者の違いは何でしょうか? 上の研究結果ではそれぞれ次のように特徴づけました。

代替される可能性が高い職業

=「必ずしも特別の知識・スキルが求められない職業に加え、データの分析や秩序的・体系的操作が求められる職業」

代替される可能性が低い職業

=「芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・ 創出するための知識が要求される職業、他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業」

社会に出る前に、それぞれの違いを自分なりに考えてみることは重要なことかもしれません。

一方で忘れてはならないのは、これは、あくまでもある一つの研究結果であり、可能性の話だということです。必ずしも、この予測が正しいとは限りませんし、こうした世界が幸せかもわかりません。

例えば、想像してみてください。

スーパーの店員さん、銀行の窓口、警備員、電車の運転士……これらが全てAIやロボットに置き換わった世界。あなたはどう感じるでしょうか?

技術的に代替可能であるからといって、必ずしもそれが全てだと言えるでしょうか?

マンガ家や映画監督が人間であるべき、というのは直感的にイメージしやすいでしょう。確かに、こうした芸術や表現に関わる分野では、AIが代替するのは比較的難しそうですし、人間だからこそ意味がある、という感覚を持つ人も多いかもしれません。

一方で、塾終わりによく行くスーパーに寄ると、顔見知りのおばちゃんから「今日もお疲れ」と言われる。こんな些細なコミュニケーションが日常を豊かにするのも確かに存在するはずです。これも、ロボットに置き換えてしまって良いのでしょうか?

考えよう②

AIの台頭は本当に不幸なのか? 人間が考えるべきAIとの関係

 

また、物事は常に裏側から考えることも大切です。

「AIに仕事が奪われる」という悲観的な見方ではなく、「AIが人間の代わりに仕事をしてくれる」というポジティブな見方を提唱する人もいます。

AIと付き合っていく中で、AIは我々に、好奇心、コミュニケーション、美への感性などの「人間らしさ」とは何かを見つめ直す機会を与えてくれる。目先の利益を追い求めている私たちは、AIを通じて人生で最も「大切なもの」に気づき、自由な時間を取り戻すことができるかもしれない。”(IBM THINK Business「来るべきAI時代のAIとの付き合い方:AIは人に幸福をもたらすか」より引用)

また、起業家のホリエモンこと堀江貴文さんとメディアアーティストの落合陽一さん共著『10年後の仕事図鑑』では、「AIによって生まれる仕事・伸びる仕事」も考察しています。

仮にAIが人間を超えた時、あなたが思い描くのはどんな世界でしょうか?

考えよう③

みなさんの意見は #チョットーク

本メディアを運営するtyottoでは、今回取り上げたシンギュラリティをはじめ、答えのない社会課題や問いかけを考えるプログラム「Progress Time(プログレスタイム)」を展開しています。

みなさんもシンギュラリティについて考えてたことを #チョットーク でつぶやいてください。

以下では、参加した高校生たちの意見を一部紹介します。

「感動を与えられるのは人間にしかできない」

「人間とAIをコントロールできる人が活躍できるようになる」

「人の感情を引き出せる人になりたいと思った」

あなたの意見もお待ちしています。

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