勉強法 同位体と同素体の違いって?一文字違いで大違い!|化学勉強法

同位体と同素体の違いって?一文字違いで大違い!|化学勉強法

「同位体と同素体、よく見かけるけど正直どっちがどっちか違いがわからない…」

「試験中ど忘れしてわからなくなったらどうしよう!」

そんな不安を抱える受験生の方も少なくないのではないでしょうか?

 

この2つ、「同体」「同体」とたった一文字しか違いはありませんが

よく意味を考えると、ちゃんと違いが分かるようにネーミングされてるんです!

それも踏まえて「同位体」と「同素体」、この2つの違いについて解説していきたいと思います。

 

 

同位体:周期表の「位置」が「同じ」

同位体:isotope(アイソトープ)

陽子の数(原子番号)は同じで、中性子の数が違う元素同士のこと

性質はほぼ同じ

 

【考え方】 

1)周期表で置にあるから同位体

→原子番号が同じ=陽子の数が同じ

・Point1:原子番号=陽子数

 

2)しかし同「素」体ではない

→まったく同じものではない

→電子or中性子の数で違いが生まれる

・Point2:原子は陽子の他に、電子、中性子からできている

 

3)原子は電気的に中性

→陽子(+)数=電子(-)数

→違いは中性子の数

・Point3:陽子数=電子数

 

【小話】

大抵の原子は周期表に載っている原子番号と同じ数の陽子、中性子数を持っています。

しかしたまーにちょっと中性子を多めor少なめに持っている子がいるんですよね…

特別なことをすれば作り出せるというよりは、自然界に一定数存在するという感じです。

なので、基本的には性質は変わらないんですが、質量数の話になってくると別物として区別しないといけない。

だから「同位体」という言葉が必要だったわけですね。

 

原子量は同位体の比率を使って平均の重さを出すので、

原子量が整数ではないのはこの同位体のせいなのです。

 

ちなみに、実際の化学の世界では

化学反応において、反応部分の原子がどの出発物質由来のモノなのかを見極めるときに

目印として同位体を使います。

(例)R1-COOH+R2-OH→R1-COO-R2  (R1R2=炭化水素基)

 カルボン酸を16O、アルコールを17Oと同位体で違いを作って区別しておくことで

 生成物の結合の-O-がどっち由来かを判断することができます。

 

 

同素体:使われる「元素」は全く「同じ」

同素体の文字通り、陽子数も中性子数も全く同じ元素

結合の形や数によって性質に違いがみられる

→Pointは「SCOP」

 

 

同素体=使われてる元素もまったく同じ

→何が違うの?

→その元素を何個ずつ使うかで違いが生まれる

俗にいう「SCOP(スコップ)」で暗記していたものがこの同素体です。

 

先ほどの同位体とは違い、同素体がある元素は限られています。

同素体の問題では間違いなく問われると考えてください。

とはいえ、たった4つなのでささっと覚えてしまいましょう!

 

S:硫黄(3種類)

斜方硫黄:S8

単射硫黄:S8

ゴム状硫黄:S

一番安定なのは斜方硫黄

 

C:炭素(いっぱい)

ダイヤモンド:C

黒鉛(グラファイト):C

フラーレン:C60、C70

は暗記必須

カーボンナノチューブもここ最近流行り

 

O:酸素(2種類)

酸素:O2

オゾン:O3

オゾン層は紫外線カットしてくれたり、酸化力が強いので脱臭・除菌効果アリ

でも実は高濃度では人体被害アリ。生臭い。

コピー機を使ったときに出る生臭さはコイツが原因。

 

P:リン(2種類)

黄リン(おうりん):P4

赤リン(せきりん):P

黄リンは自然発火するので水中保存です。

赤リンはマッチの横についてるアレ。

 

同素体は以上4つ!

同素体SCOPを覚えるだけでなく、それぞれの性質や分子式も頭に入れておきましょう。

 

まとめ

同位体:中性子の数が違う元素

同素体:原子の結合や性質が違う物質