勉強法 六種類の意味を区別できる?助動詞「む」・「むず」の用法

六種類の意味を区別できる?助動詞「む」・「むず」の用法

こんにちは。塾講師めるです。
今回は「助動詞「む」・「むず」の用法」について説明していきます!

1)助動詞「む」・「むず」の活用形と接続は?

まずは,助動詞「む」・「むず」の活用形と接続を確認しましょう。
(未然形/連用形/終止形/連体形/已然形/命令形の順になっています)

「む」 :○/○/む/む/め/○

「むず」:○/○/むず/むずる/むずれ/○

助動詞「む」・「むず」はどちらも未然形接続です。
ですから,直前には必ず動詞の未然形があることになりますね。

ちなみに「むず」というのは「む」が変形したものです。
活用形が異なりますが,それ以外の接続や意味はまったく同じです。

2)助動詞「む」・「むず」の意味は?

助動詞「む」・「むず」には全部で六種類の意味があります。
どちらも持っている意味は同じなので,まとめて見ていきましょう。

「む」・「むず」:推量(~だろう)
         意志(~しよう,~たい)
         勧誘(~しませんか)
         仮定(もし~としたら)
         婉曲(~ような)
         適当(~のがよい)

すべての意味をそのまま暗記しようとするのは難しいので,
それぞれの頭文字を取って「すいかかえて(スイカ換えて)」と覚えましょう。

これらの六種類のうち,どの意味で使われているかを判断するには,
前後の文脈から推測するのが基本的なやり方です。

しかし,文脈を読まなくとも,ある程度意味を絞り込める方法があります。
それは「「む」・「むず」の主語に注目する」というやり方です。

主語が…一人称(私)     :意志(~しよう,~たい)
    二人称(あなた)   :適当(~のがよい),勧誘(~しませんか)
    三人称(彼,彼女など):推量(~だろう)

では,具体的に例を挙げてみましょう。主語に注目して見てください。

香炉峰の雪いかなら。(香炉峰の雪はどのようだろう)

忍びては参りたまひなや。(こっそりと参内なさいませんか)

我,猫を飼はと思ひて,(私は猫を飼おうと思って,)

この方法はあくまでも意味を絞り込むための一つのやり方ですが,
前後の文脈が読み取れない場合でも使えるので,覚えておくと便利です!

3)まとめ

いかがでしたか?今回のポイントは以下の通りです。

助動詞「む」・「むず」:接続 =未然形接続

            活用形=「む」 :○/○/む/む/め/○

                「むず」:○/○/むず/むずる/むずれ/○

            意味 =推量(~だろう)
                意志(~しよう,~たい)
                勧誘(~しませんか)
                仮定(もし~としたら)
                婉曲(~ような)
                適当(~のがよい)
             
                →「すいかかえて(スイカ換えて)」で覚える!

           ※主語が…一人称(私)     :意志(~しよう,~たい)
                二人称(あなた)   :適当(~のがよい),勧誘(~しませんか)
                三人称(彼,彼女など):推量(~だろう)

助動詞「む」の用法は品詞分解や現代語訳の問題でよく出題されるので,
まずは六種類の意味を区別できるように復習しましょう!