勉強法 これだけはおさえておきたい!助動詞の慣用表現

これだけはおさえておきたい!助動詞の慣用表現

 助動詞の慣用表現について、意識したことがありますか?実は、助動詞を使った慣用表現ってすごくたくさんあるんですよね。たくさんありすぎて、どの慣用表現を重点的に覚えればいいのかわからない…。でも大丈夫!そんな悩みにお答えして、受験において最低限おさえておくべき助動詞の慣用表現をピックアップしました!

 

よく出る助動詞の慣用表現

 助動詞の慣用表現は、助動詞に他の語がつくことで、助動詞がもつ本来の意味からまったく違う意味になったりします。ここが助動詞の慣用表現のおもしろいところでもありますね。これらは、理解を深めるために表現の成り立ちについても触れている部分がありますが、これらを特別に覚える必要はありません。「へぇ~、そうなんだ」ぐらいにとどめておいて大丈夫です(笑)。難しいことは抜きにして、助動詞に他の語がついていても、ひとつの助動詞として暗記してしまいしょう!

 

・cannot[can’t]  ~too… 「どんなに~しても…しすぎることはない」

 You cannot[can’t] be careful about your health. 「あなたはいくら健康に注意してもしすぎることはない。」

 They cannot[can’t] praise her too much. 「彼らはどんなに彼女をほめてもほめたりない。」

 I cannot[can’t] read too many books. 「私はいくら本を読んでも読みすぎることはない。」

 主に可能性を表す助動詞canを使った慣用表現。助動詞cannnot[can’t]の後には動詞が来るのですが、上の一つ目の例のようにbe動詞の原形beが来て、さらにtooの後に形容詞が来る場合が多いです。また、ここでの助動詞canは可能性、tooは「度を過ぎて悪い」というニュアンスをそれぞれ持っていて、「どんなに~しても…しすぎて悪いことにはなり得ない」→「どんなに~しても…することに限界がない」→「どんなに~しても…しすぎることはない」という解釈になります。といってもこのような成り立ちを特別に覚える必要はなく、助動詞の慣用表現の一つとしてそのまま覚えてしまいましょう。

 

cannot[can’t] help~ing 「~せざるを得ない、~するのをこらえることができない」

   cannot[can’t] (help) but 動詞の原形

 またでました、助動詞canの否定形を含むcannot[can’t]を含む慣用表現。この助動詞の慣用表現のやっかいなところは、同じ意味を持つ似た表現が2つあるところなんですね。

 1つ目は、cannot[can’t] help~ing。helpは「手伝う」という一般的に知られる意味のほかに、「避ける、やめる」といったstopやavoidに似た意味を持っていて、その性質を利用した表現になります。helpの後に動名詞をくっつけて直訳すると、「~することを避けることができない」といった感じですね。

 She could not[couldn’t] help laughing. 「彼女は笑いをこらえることができなかった。」

 I cannot[can’t] help thinking about that. 「私はそのことについて考えざるを得ない。」

 

 2つ目は、cannot[can’t] (help) but 動詞の原形。先ほどの慣用表現と異なるのは、helpの後にbutが置かれ、さらに動名詞の代わりに動詞の原形が使われている点です。butは前置詞として使われるとき「○○を除いて、抜きにして」というexceptと似たニュアンスを持つのですが、この表現ではその性質が使われており、「~することを抜きにすることができない、~することから免れることができない」→「~せざるを得ない」という解釈になります。また、ややこしいことに、この場合のhelpは入れてもいれなくても大丈夫です(入れない場合は少し堅い表現になります)。

 I connot[can’t] help but say that. 「私はそのことを言わずにはいられない。」

 We cannot[can’t] help but be anxious about that. 「私たちはそのことについて心配せざるを得ない。」

 ★be動詞の原形は…、beでしたね!

 He could not[couldn’t] but cry. 「彼は泣かずにはいられなかった。」

   They cannot[can’t] but lie. 「彼らはうそをつかずにはいられない。」

 

 ・may well~ 「たぶん~するだろう」「~するのももっともだ」

 mayを含む慣用表現。wellは副詞や形容詞として使われますが、助動詞mayとくっつくことでmay wellという一つの助動詞のように働きます。そして、助動詞の直後には必ず動詞の原形がきます

 She may well accept us. 「彼女はたぶん我々を受け入れるだろう。」

 They may well be angry. 「彼らが腹を立てるのももっともだ。」

 

・may as well ~「~するのも悪くない、~した方がよいだろう。」

 助動詞mayを使った慣用表現シリーズ第2弾。先ほどの慣用表現may wellと少し似ていますが、特に意味に関連性はありません。こちらも、そのまま覚えてしまいましょう。may wellの意味と混同しないように注意が必要です。そして助動詞の後には、、、動詞の原形でしたね!

 I may as well read a book today. 「今日は本を読むのも悪くない。」

 She may well go at once. 「彼女はすぐに行くのがよいだろう。」

 ★この場合の「~した方がよいだろう」という訳ですが、「~べきだ」といった助動詞shoudのニュアンスを含むhad betterの「した方がいい」とは違い、「どっちかというと、~した方がよさそうだね」という控えめな表現になります。

 

・would rather~ (than…) 「(…より)むしろ~したい」

 助動詞のwouldを使った慣用表現。would rather~で「むしろ~したい」、would rather~than…で「…よりむしろ~したい」という意味になります。would ratherの後に動詞の原形が続くのはどのパターンでも変わらないのですが、thanの後は動詞の原形のこともあれば、名詞のこともあります。例文を見ていきましょう。

まず、thanを使わないパターン。「むしろ~したい」という意味になります。

 I would rather take the bus. 「私はむしろバスを使いたい。」

 

ratherのあとに動詞の原形がくるパターンです。

 I woud rather stay here than go outside. 「私は外出するよりむしろここにいたい。」

 

これは、ratherのあとに名詞のくるパターン。

 She would rather eat rice than bread. 「彼女はパンよりもむしろお米を食べたい。」

 

要は、「より」の対象が動詞か名詞かというだけの話なんですね。

 

 

would like to~ 「~したい」

 助動詞wouldを使った慣用表現。want toの丁寧な表現です。I’d like to~、she’d like to~のように短縮することができます。こちらもひとつの助動詞として覚えてしまいましょう。

 I would like to go shopping tomorrow. 「私は明日買い物に行きたい。」

 We would like to say thanks to everyone. 「私たちは皆さんにお礼を言いたい。」

 She’d like to study Japnanese more. 「彼女は日本語をもっと勉強したいと思っている。」

 

また、would like toをWould you like to~で始まる疑問形にすることで、「~しませんか?」という慣用表現になります

 Would you like to go to the party together? 「一緒にパーティへ行きませんか?」

疑問形ではこのような表現もあります。この場合は「~しませんか?」という意味は持ちません。

 What would you like to eat for lunch? 「お昼に何を食べたいですか?」

 

まとめ

 長々と紹介してきましたが、これらが受験で最低限おさえておきたい助動詞の慣用表現になります。もちろん、このほかにも助動詞の慣用表現はありますので、長文問題を解く中で新しい表現に出会うたび、忘れないようにノートなどにまとめておくようにしましょう。慣用表現の習得には、積み重ねていくことが大切なのです!さて、今回学習した助動詞の慣用表現をおさらいしましょう。

  • cannot[can’t]  ~too… 「どんなに~しても…しすぎることはない」
  • cannot[can’t] help~ing / cannot[can’t] (help) but 動詞の原形 「~せざるを得ない、~するのをこらえることができない」
  • may well~ 「たぶん~するだろう」「~するのももっともだ」
  • may as well ~「~するのも悪くない、~した方がよいだろう。」
  • would rather~ (than…) 「(…より)むしろ~したい」
  • would like to~ 「~したい」

 

では、最後に確認問題で復習しましょう。

 

確認問題

次の文を日本語訳しなさい。(答えは下にあります)

1) You cannot be too kind to elderly people.

2) I cannot[can’t] help crying/ I cannot[can’t] (help) but cry.

3) She may well laugh.

4) He may as well go back home.

5) They would rather drink juice rathar than wine.

6) I would like to talk with you.

 

 

 

 

 

 

 

1)お年寄りにいくら親切にしてもしすぎることはない。

2)私は泣くのをこらえることができない。

3)彼女が笑うのも無理はない。

4)彼は家に帰る方がよさそうだ。

5)彼らはワインよりもむしろジュースを飲みたい。

6)私はあなたと話をしたい。