勉強法 ソビエト連邦の中に共和国があった?詳しく解説|世界史勉強法

ソビエト連邦の中に共和国があった?詳しく解説|世界史勉強法

こんにちは。塾講師めるです。
今回は「ソビエト連邦の中に共和国があったっておかしくない?」という質問に答えていきます!

1)「ソビエト連邦」という言葉はややこしい!

まず「ソビエト連邦」=「現在のロシア連邦の前身国家」ではないことに注意しましょう!

1917年にウラジーミル・レーニン率いるボリシェヴィキが建国し,
現在のロシア連邦の前身となった国家は「ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国」です。
(長いので,これ以降はロシアSFSRと表記します)

このロシアSFSRを中心に,白ロシアやウクライナなどの共和国が統合されて,
1922年に「ソビエト連邦」が誕生したんですね。
その後も東欧や中央アジアなどの共和国が加盟し,ソビエト連邦はさらに拡大します。

つまり「ソビエト連邦=ロシアSFSRを含む社会主義共和国の集合体」というわけです。
そう考えれば,ソビエト連邦の中に共和国があるのも納得できますよね。

2)ロシアSFSRの中には「自治共和国」がある!?

ところが,実はロシアSFSRの中には「自治共和国」というものが存在していました。
(厳密には他の社会主義共和国にもあったのですが,ここでは割愛します)
この辺りが話をさらにややこしくしている原因だと思われます。

ですが,これはそこまで複雑な話ではありません。
「自治共和国」というのは,ロシアSFSRという国の中にあった地方自治体です。
通常の州や市などに比べて自治権の範囲や力が強いので,このような呼ばれ方をしているんですね。

2014年の「クリミア危機」で世界的に注目されたクリミアは,
こうした「自治共和国」のうちのひとつです。

クリミア自治共和国はもともとロシアSFSRの管轄下にありましたが,
1954年にウクライナ・ソビエト社会主義共和国(ウクライナSSR)に管轄が移されました。
(このときは同じソビエト連邦の中での移管だったので,特に問題はありませんでした)

クリミア危機のニュースを見て「なんでロシアに編入したの?」と思った方もいるかもしれませんが,
このような歴史的経緯があったことを知っていると,ちょっとわかりやすいですよね。

大学入試の問題(特に国公立大学二次試験)では,
最近の時事ネタに関わる近現代の歴史についての記述問題を出してくるので,
おまけではありますが,頭のどこかに置いておいてください!

3)まとめ

いかがでしたか?今回のポイントは以下の2つです。

 

・ソビエト連邦=ロシアSFSRを含めた社会主義共和国の集合体
       →ソビエト連邦=ロシアSFSRではない!
・自治共和国 =ロシアSFSRなどの国内にあった地方自治体(例:クリミアなど)

ソビエト連邦などの社会主義国に関する用語は似たような名前が多く,
教科書を読んだだけではわかりづらいところもあります。
しかし,ポイントをおさえてしまえば簡単です。あきらめずに取り組みましょう!