勉強法 液体、気体の相互変化―押さえておきたい!”状態変化”―

液体、気体の相互変化―押さえておきたい!”状態変化”―

状態変化の問題、習ってすぐはわかってたけど蒸発とか凝縮とかどっちがどっちかよくわかんない!

蒸発の仕組みが知りたい!

凝縮ってつまりどういうことが起こってるの?

そんな不安や疑問を持つ人必見、

「蒸発」や「凝縮」の仕組みについて解説していきますよー!

 

↓↓↓

 

存在する全ての物質には

固体液体気体

の3つの姿があります。

 

例えば「水」という物質の場合、

氷=固体/水=液体/水蒸気=気体

と、状態に応じて異なる名前がつけられています。

 

温度と気圧の変化によって、この3つの状態同士は相互に変化しあうことができます。

これを”状態変化”といい、

大気圧下の水が100℃で沸騰して水蒸気になったり(液体から気体への変化:蒸発または気化)、

濡れた地面が勝手に乾いたり(蒸発)、

逆に結露のように空気中の水分が冷えて水になったり(気体から液体への変化:凝縮)、

0℃で固まって氷になる(液体から固体への変化:凝固)ことと同じことが他の物質でも起こると思ってもらえればOKです。

 

状態変化にはそれぞれ名前が付けられており

今回はその中でも気体と液体に関する状態変化

蒸発(気化):液体→気体

凝縮:気体→液体

について話を進めていきましょう!

 

 

1、そもそも物質の”状態”って?

「簡単に状態変化って言うけど、まずその”状態”って?何が違うの?」

そう思う人も、別にどうでもいいやって人も是非知っていて欲しい、物質のコト。

 

ご存知の通り、物質は原子や分子やイオンから構成されています。

例えば水の場合、水分子がたくさん集まって1つの液体としての水の集合体になっているのですが

その水分子1つ1つはエネルギーを持っており、その場で振動したり飛び回ることができます。

エネルギー=分子の体力であり、

エネルギーが大きいほどそれぞれの分子は大きく動き回ることが可能になります。

これを熱運動と呼び、その名の通り熱エネルギーの大小によって決まるということを理解しておいてください。

この話が後の「蒸発」や「凝縮」の仕組みに直結します。

 

 

2、蒸発=液体から気体への変化

液体から気体へ状態変化することを蒸発(または気化)といいます。

 

先ほどの説明で、「分子はそれぞれ振動したり飛び回ることができる」という話をしましたが

あっちこっち自由に飛びまわっているのが気体

ある程度自由には動けるけれど、飛ぶほどのエネルギーがないものが液体と呼ばれる状態です。

つまりエネルギーの大きさで比べると

 気体>液体

であることはすぐ分かると思います。

「液体を加熱すると気体になる」というのは

加熱=熱エネルギーを与えることで、分子が飛び回るエネルギーを得られる

ということでとても理にかなった原理ということですね。

 

ちなみに、化学が得意な人ならピンときたかもしれませんが

水が沸騰する時の時間と温度の関係を表したグラフは大抵の人は見おぼえがあるかと思います。

横ばいになっている部分は

「氷+水の状態」「水+水蒸気の状態」と習ってるはずなのですが

グラフが横ばいになっているのは

固体から液体、液体から気体へと状態が変化するためのエネルギーに使われているということだったのですね。

(このような熱を潜熱と呼びます)

 

蒸発は図の水色の部分に当たります。

目には見えませんが、物質の間ではこのようなエネルギーの変化が起こっていたというわけです。

 

状態変化について述べるときは、急激な加熱があろうとなかろうと

液体から気体への状態変化は全て「蒸発」と表現します。

 

 

3、凝縮=気体から液体への変化

もちろん、気体から液体へ変化するということはその逆、液体から気体へと変化することもありえます。

ここまで読んでいただけたなら、もうどのような変化が起こっているかお分かりかと思います。

エネルギーが尽きて、飛び回るだけの元気がなくなった気体分子たちが、

「凝」集し、体積が「縮」んで液体に戻ることから

この状態変化を「凝縮」と呼びます。

液体から固体に変化するときは凝固といい少し似ていますが

気体から液体に変化する場合は完全に固まるわけではなく、液体としてある程度自由に動くことが可能なので「凝固」ではなく「凝縮」と覚えてくださいね。

 

 

 

まとめ:気体と液体の状態変化

・持っているエネルギーの大小で状態が決まる

・エネルギーは「気体>液体」

・気体→液体は「蒸発」

・液体→気体は「凝縮」

・蒸発するのは、エネルギーを得て飛び回れるようになったから

・凝縮するのは、エネルギーを失って飛び回れなくなったから

 

 

 

おまけ:身の回りの蒸発、凝縮

身の回りに起こる状態変化をまとめてみました

・やかんに水を入れて加熱、沸騰→蒸発

説明するまでもなく「蒸発」ですね

この場合、水中からも「蒸発」が起こるため、沸騰と呼ばれます

・やかんの口から出てきた湯気→凝縮

基本的に気体は目に見えないので、白く目に見えているものは実は液体。

口元をよく見てみると、少し離れたところから白くなっているのがわかるかと思います。

やかんから出た水蒸気が外気で冷やされ、その部分で「凝縮」しているのです。

・地面に撒いた水が乾く→蒸発

これも液体が気体へと変化してなくなったように見える現象のため「蒸発」

蒸発させるための条件はいろいろあり、必ずしも加熱しないといけないというわけではありません。

俗にいう「蒸発」というのは、決して100℃になって沸騰したわけではないですよね?

しかし、状態変化について話をするときには、液体から気体への変化のことを一律して「蒸発」と呼びます

・寒い時の「白い息」→凝縮

先ほどの湯気と全く同じ原理で、目に見えるため水蒸気が凝縮して小さな水滴となっています。

同様にして、空に浮かぶ雲も凝縮した水滴の集まり。

結露のようにガラスなど小さな水滴が集まりやすい物があれば、凝縮した水滴同士が集まって”水滴”らしいサイズにまで成長しているのです。