勉強法 不定詞の副詞的用法のまとめと例題!目的・結果・理由を表すto不定詞をマスター!!

不定詞の副詞的用法のまとめと例題!目的・結果・理由を表すto不定詞をマスター!!

1 不定詞の役割

 

不定詞とは基本的に、これからする予定のことや可能性のあることなどを表現する場合に用いられ、基本形は<to+原形動詞>です。この<to+原形動詞>to不定詞と呼ばれます。to不定詞は動詞の変化形の1つです。

また、to不定詞は大きく分けて、文の主語や目的語、補語となって文の要素となる場合と、修飾語となって文の要素にならない場合があり、さらに、文の要素になる場合は①名詞的用法、文の要素にならない場合は②形容詞的用法、③副詞的用法と呼ばれます。

 

【ポイント】

to不定詞の基本3用法

名詞的用法(文の要素になる⇒文の主語・目的語・補語になる)

形容詞的用法(文の要素にならない⇒名詞を修飾する)

副詞的用法(文の要素にならない⇒名詞以外を修飾する)

  

2 不定詞の副詞的用法

 

to不定詞の副詞的用法について見ていきましょう。

副詞的用法では、to不定詞<to+原形動詞>が、副詞と同じように文中の名詞以外の語句や文を修飾する役割をはたします。

そして、副詞的用法のto不定詞は、名詞以外の語句や文を修飾するため、多くの用法があり、画一的な文構造や訳を覚えてもあまり意味がありません。そこで、副詞的用法のそれぞれの用法を、結びつきやすい語句やイディオムと合わせて覚えていくことが有効です。例えば、「感情の原因」を表す用法では、感情を表す語句と合わせて覚えたり、「目的」を表す用法では、<in order to>や<so as to>などのイディオムと合わせて覚えたりするとよいでしょう。

副詞的用法のto不定詞は、「~するために…」「~して…」「~するほど…」「~するとは…」など様々な訳し方をします。

 

副詞的用法その1【目的を表すto不定詞】

 

I went to the post office to mail a letter.

「私は手紙を出すために郵便局へ行った。」

 

to不定詞のto mailは、郵便局へ行った目的を表しているので「目的」を表す副詞的用法といいます。「目的」を表す副詞的用法のto不定詞は、「~するために…」「~するように…」という意味になります。

また、to不定詞が「目的」という意味をはっきりと示すために、<in order to不定詞><so as to不定詞>が使われることがあります。このイディオムも「目的」を表す副詞的用法のto不定詞として覚えましょう。

 

I went to the post office in order to mail a letter.

I went to the post office so as to mail a letter.

「私は手紙を出すために郵便局へ行った。」

 

副詞的用法その2【結果を表すto不定詞】

 

He grew up to be a great man.

「彼は成長して偉大な人になった。」 

 

この文意は、「成長した」(grew up)結果、「偉大な人になった」(to be a great man)ということなので、「結果」を表す副詞的用法のto不定詞といいます。「結果」を表す副詞的用法のto不定詞は、「…して~となった」「…すると~した」などの意味になります。

また、「結果」を表す副詞的用法では、<only to不定詞><never to不定詞>の形もよく用いられます。

 

She worked hard to carry out her plan only to fail.

「彼女は計画を実行しようと一生懸命に働いたが、結局失敗に終わった。」

◆carry out ~「~を実行する」

◆… only to ~「…したが、結局~しただけのことだった」(結果が期待外れであることを表す副詞的用法のto不定詞)

 

The bird flew away never to return.

「その鳥は飛んでいったまま、二度と戻ってこなかった。」

◆… never to ~「…して、二度と~しなかった」(…した結果、二度と~しなかったという意味の副詞的用法のto不定詞)

 

副詞的用法その3【理由・判断の根拠を表すto不定詞】

 

You are very kind to help me.

「私を手伝ってくれるとはあなたはとても親切だ。」

 

「あなたはとても親切だ」(You are very kind)という他人の性質や性格の判断をした理由や根拠を、「私を手伝ってくれるとは」(to不定詞のto help me)が表しているので、これを「理由・判断の根拠」を表す副詞的用法のto不定詞といいます。

この「理由・判断の根拠」を表す副詞手用法のto不定詞は、判断を表す形容詞や推量の助動詞、感嘆文とともに多く用いられ、「~するとは…だ」「~するなんて…だ」という意味になります。

 

She must be a fool to believe such a thing. (推量の助動詞)

「そんなことを信じるとは彼女は馬鹿に違いない。」

 

What a fool she is  to believe such a thing! (感嘆文)

「そんなことを信じるとは何て彼女は馬鹿なのだろう。」

 

◆人の性質や性格の判断を表す形容詞の例

kind(親切な)、good nice(良い)、clever wise(賢い)、brave(勇敢な)、foolish silly(愚かな)、careless(不注意な)、polite(丁寧な)、rude(無礼な)

 

これらの形容詞も、to不定詞の副詞的用法として覚えてしまいましょう。

 

副詞的用法その4【感情の原因を表すto不定詞】

 

I’m glad to see you.

「あなたにお会いできてうれしい。」

 

この文は、glad「うれしい」という感情を表す形容詞と、to不定詞のto seeが結びついて「会えてうれしい」という意味になっているので、これを「感情の原因」を表す副詞的用法のto不定詞といいます。この「感情の原因」を表す副詞的用法のto不定詞では、通常「~して…」「~することを…」という意味になります。

 

◆to不定詞と結びついて感情を表す形容詞・分詞の例

afraid(恐れる)、angry(怒って)、anxious(切望して)、delighted(喜んで)、excited(興奮して)、happy(うれしい)、pleased(喜んで)、satisfied(満足して)、sorry(残念に思って)、surprised(驚いて)

 

このように、to不定詞は感情を表す形容詞や分詞と結びつくことにより「感情の原因」を表すので、この感情を表す形容詞や分詞も一緒に覚えていきましょう。

 

副詞的用法その5【程度・限定を表すto不定詞】

 

to不定詞が<enough to不定詞><so … as to不定詞><too … to不定詞>のように特定の語句とともに用いられることによって、「程度」「限定」の意味を表すことができます。

You are not old enough to go to school.

「あなたは学校へ行くほどの年齢ではない。」

⇒「あなたはまだ学校へ行く年齢ではない。」

 

<形容詞(副詞)+ enough to不定詞>で「~するほど…」や「とても…なので~」という意味になります。

 

You are not so old as to go to school.

「あなたはまだ学校へ行く年齢ではない。」

 

<so + 形容詞(副詞)+ as to不定詞>も<形容詞(副詞)+ enough to不定詞>と同じように「~するほど」や「とても…なので~」という意味を表します。

 

【ポイント】

「目的」を表す副詞的用法の<so as to~>と似ているので注意!

 

You are too young to go to school.

「あなたは学校へ行くには若すぎる。」

 

<too + 形容詞(副詞)+ to不定詞>で「~するには…すぎる」や「あまりにも…なので~できない」という意味になります。文全体には否定の意味が含まれます。

 

また、enoughなど特定の語句がない場合でも、to不定詞が形容詞を修飾しているときは、同様の意味を表すことがあります。

 

The book is difficult to understand.

「その本は理解するのが難しい。」

 

「難しい」のは「理解するという点において」という範囲を限定しており、to不定詞のto understandは形容詞difficultを修飾していると考えられるので、副詞的用法の一つですが、次のように名詞的用法と同様の形で書き換えることができます。

 

It is difficult to understand the book.

「その本を理解することは難しい。」

 

◆Itは形式主語で、意味上の主語はto不定詞のto understand。

 

副詞的用法その6【仮定・条件を表すto不定詞】

 

To hear you sing people might take you for a girl.

「あなたが歌うのを聞けば、人はあなたを少女と思うかもしれない。」

 

to不定詞のto hearは「聞けば」という仮定の意味を表しているので、これを「仮定・条件」を表す副詞的用法といいます。to不定詞が「仮定」を表す場合は、通常、仮定法で用いる助動詞の過去形があります。

 

【ポイント】

助動詞の過去形がある仮定法の文のto不定詞は「仮定」を表す!

 

例題1

(  )内に適切な語を入れてto不定詞を用いた英文を完成させてみましょう。

 

(1) I got up early in (   ) (   ) catch the train.

「列車に乗り遅れないように早起きをした。」

 

(2) My mother is (   ) busy (   ) go with us.

「母は忙しすぎて私たちと行くことができません。」

 

【答】

(1) I got up early in ( order )( to ) catch the train.

「列車に乗り遅れないように早起きをした。」

 

(2)  My mother is ( too ) busy ( to ) go with us.

「母は忙しすぎて私たちと行くことができません。」

 

例題2

次のto不定詞を用いた英文を日本語に訳しましょう。

 

(1) He is interesting to talk to.

 

(2) He studied for months and months only to fail the test.

 

【答】

(1) 「彼と話すのは面白い。」

◆この英文は、

It is interesting to talk to him.

と書き換えられる。talk toの前置詞toに注意。

 

(2) 「彼は何か月も勉強したが、結局試験に失敗した。」