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2020/02/21公開

10年連続人気1位「NTTデータ」採用担当に聞いた、「就活に大学名は関係ない」って本当?

「大学名は全く見てません」──学歴フィルターって実際どうなの?

新井光樹(以下、新井):NTTデータと言えば、就職活動でもかなり人気な企業として有名ですね。(編集部注:楽天が運営する就職活動情報サイト「楽天みん就」による「IT業界新卒就職人気企業ランキング」で10年連続1位)

それだけ人気がある企業で人事をされているお二人なら、数多くの学生と向き合ってきたと思いますが、お二人は、学生時代をどう過ごしたらいいと考えていますか?

写真左:NTTデータ人事本部人事統括部採用担当課長代理高見暁さん、右:同部長下垣徹さん

高見 暁(以下、高見):あくまで私個人の意見になりますが、とにかくいろいろな経験をしてもらいたいです。就職活動中の大学生にもいつも言いますが、IT業界は実に多種多様な会社や人がお客さんになります。私たちのビジネス自体も、わかりやすく目に見えるものではなく、頭の中で考えたものをシステムという手段を使って作り出す仕事です。

ですから、いかに広くいろいろな人やその価値観と触れ合っているかが重要だと思うんです。そうすれば、「就活のため」というのを別としても、単純に人生が豊かになります。学生のうちは、自分には興味がないと思うことでも、どんどんチャレンジしてもらいたいです。

新井:それは大切ですよね。では、勉強についてはどうですか? やはり頑張った方が良いんでしょうか?
高見:私は、必ずしも学校の勉強をしなければいけないとは思いません。それはそれでいつでもできるのかなって。

NTTデータ人事本部人事統括部課長代理高見暁さん

新井:でも、採用する時には大学名を見るんじゃないですか?

高見:実は、NTTデータでは大学名は全く見てません。受かってから、「あぁ〇〇大だったんだ」みたいな感じです。偏差値の高い大学だから受かりやすい、みたいなこともないですね。

ただし、私たちが求めているのは、複雑なものをまとめていく力や論理的思考力ですから、そういう基礎力が結果的に学力と近いものであることはあると思います。でもとにかく、ひとつ言えるのは、大学名では判断していないということ。「力」さえあれば問題ないですよ。

新井:そうなんですか! あくまでも肩書きではなくて能力を重視しているわけですね。

求めるのは、“一人称”でなんでもガリガリやる人

NTTデータ人事本部人事統括部採用担当部長の下垣徹さん

新井:下垣さんは、学生時代の過ごし方について、どんな考えを持っていますか?

下垣:ずっと考え続ける仕事なので、考えるのが辛い人は厳しいかもしれません。

その上で、多様な経験をしてほしいっていうのは、高見さんとまるっきり一緒。一方で、僕は学生時代の勉強もちゃんとやった方がいいかなって思っています。仕事でも、それぞれの科目の基礎力が求められる場面があるんです。数学なら、筋道立てて、順番に物事を考えられる力だったり、英語はグローバルに働く上で言うまでもなく重要だし、国語の読み取りの能力も使います。

私たちシステムインテグレーター(SIer)の仕事って、お客さんがもやもやと頭の中で浮かべているものをカタチにする仕事なので、それを自分の中で噛み砕いて、論理的に、ときには抽象と具体を行き来しながら考えることになります。幅広い思考を求められますから、学校の勉強などを通じて徹底的に基礎力を磨いてきてほしいです。


高見:新井さんのtyottoが展開している「tyotto塾」は、大学受験をゴールとしない塾ですし、新井さん自身も大学を中退していますよね。ここら辺、逆にどう感じていますか?

tyotto代表取締役の新井光樹

新井:就活では、よく「学歴フィルター」があるとかって言いますよね。(編集部注:就職活動において、一定以上の大学の学生以外を不合格としたり、申し込みができないようにしたりする措置のこと)でもお二人の話を聞いていると、結局、シンプルにそういう能力の高さをわかりやすく見定めるためのものなんだろうなって。その結果、総合的に見て学歴が高い子の中に、能力が高い子が多いからそういうフィルターをかける会社もあるんでしょうね。

高見:一般論としては、その大学に入るために一定期間、受験勉強を頑張れたというのはひとつ証拠になりますよね。

新井:でも例えばそれが大学受験じゃなくても、何かで頑張れていれば良い?

高見:私はいいと思います。

下垣:その通りですね。ただ、高校生の時に頑張ったけど、それで終わらずに、その後も努力し続けられているかを自分は見ます。それに、面接をしていると「惜しいな」と思う人もいて。もうちょっとアピールしてほしいなぁって。でも、結局ここでアピールできないってことはコミュニケーション能力が足りないという評価をせざるをえない。

新井:具体的に、こんな人だったら絶対一緒に働きたいっていう人はどんな人ですか?

下垣:“一人称”でなんでもガリガリやる子。一人称っていうのは、つまりリーダーシップがあって、他責(他の人のせい)にせず、最後までめげずにやりきる力を持っているか、ということです。

僕らが担当するシステム開発では、困難な状況に陥ることもあります。それでも、最後まで逃げずにシステムを納品してなんぼなんです。それを難なく乗り越え、困難に出会っても解決策を見つけてやりきれる人と働きたいです。

新井:それってどう判断するんですか?

下垣:過去の実績やこういうのを頑張りましたっていうエピソードからうかがえます。就活を始めてから取り繕ったように話しているのはやはり見抜けますよ。


高見:それはわかりますね。

経験の大きさよりも大切な「深さ」

高見:付け焼き刃で、とりあえず就活に有利そうだからこの経験してきたって言うよりは、本当に些細なことでいいから全力で取り組んだことがわかることが大切なんです。

下垣:そう。なぜそれをやろうと思ったのかを最低限語れてほしいですね。

高見:経験の大きさよりも、理由のところや姿勢に、入社後に活躍できるかどうかが表れます。グループ面接(多数の就活生を相手に同時に行う面接)を担当していると、なかにはインターハイに出ていたとか起業していました、みたいな人もいますが、その経験の大きさは関係ないんです。大した経験がなくて‥と引く必要はなくて、そのエピソードの中身やなぜそれをやったかなど深さを見ています。

あとは、入社がゴールになってしまってる子はある程度面接してるとわかりますよね。

私たちはNTTデータという会社を利用してほしいんです。会社を利用して、自己実現をしたり社会を変えたいという気概がある人がほしいのに、入ることがゴールだとその人は何も成し遂げてくれませんから。

下垣:NTTデータという大きな会社のリソース(資源)を使って日本を動かしてやるぞ、くらいの人が合っていると思います。

会社と個人のベン図があったときに、どんだけ個人を会社に寄せられるか、あるいは会社のリソースを手繰り寄せられるか、その重なった部分をどれだけ大きくするかなんですよ。

高見:ITの場合、事業領域が広いので、自分がやりたいことがあるときに、手が届きやすいかもしれませんね。幹部層からも「自己実現のために、会社を利用してください」というメッセージがでていたくらいです。

大学も会社も、ゴールじゃない

新井:先ほどの話から少し展開して、「受験」について聞きたいんですけど。学習塾を経営していて、高校生に話を聞く機会も多いんですけど、みんなに「なんで大学受験するの?」って聞くと、「だっていい企業に行ける選択肢がなくなるじゃないですか」っていうのがほとんどなんですよ。僕自身も学生時代にその感覚がありましたし。でもそれって本質じゃないですよね。

高見:そっか、高校生ってもう就活を見据えているんですね……。

新井:そうなんです。

高見:先ほどの話ともつながりますが、会社に入ることがゴールではなく、会社を使って自己実現をしてこそなんです。大学も同じで、そこに入って何をしたいかが大切。単純に、狙える大学で1番偏差値の高い所、という選び方では、大学の数年間が豊かな時間にはならないと思います。

よく、海外の大学は入るのよりも卒業するのが難しいと言いますよね。その方が本質的で、大学に入ってから必死でインプットをし続け、成長することが大事なんですよね。

下垣:「良い大学に行けばつぶしがきく」っていうこと自体は否定はしませんが、その中でもどの大学が自分にしっくりくるのかは、おぼろげながらに感じた方がいいです。自由なのか規律に厳しいのか、など自分の感覚を持って決めれたらいいのかなとと思います。

新井:お二人の話を聞いていると、必ずしもいい大学に行くべき、勉強すべきということではなく、努力する経験が大切だというのが根幹にありますよね。だけど一方で、仕事で求められる能力には、学校の勉強と通じるところもあるので、その点では勉強そのものにもやはり価値がある、と。

高見:そうですね。わたしも必ずしも勉強しなければいけない、とは思いませんが、勉強がムダだとは全く思いません。


下垣:少し根性論みたいになっちゃいますが、若いうちに自分を追い込むのは結構大事なのかもしれないとは思います。

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